活動報告

第3回ファーミングリテラシー協会 FL農法・農育研修会

  • 2017.05.30

吉村佳典さま編

5月14日、奈良県は晴れ。
2016年第1回お米シンポジウムで選抜された4名、研修生自慢の農場での実地研修に行ってきました。

まずは奈良県に農場を持つ吉村さんからスタート!
新緑の光と風に包まれた、文字どおりの五月晴れ。
昨日は、どしゃ降りだったといいますから…幸先いいスタートです。
現在の吉村さんは、ほうれん草作りのプロフェッショナル。

サンクスアイの農育に感銘を受け、2016年第1回お米シンポジウムに参加したところ、以前から気になっていた、無農薬でのお米づくりに、吉村さんのチャレンジ精神に火が付きました。
しかし…農業にはやはり、予想以上の資金がかかります。
お米づくりに必要な農業器具『トラクター』を新しく購入。
ここに吉村さんの無農薬お米づくりへの熱い情熱が感じられます。

埼玉でおこなわれた網本さんの農育研修会『ファーミングリテラシー協会 FL農法・農育研修会』でレクチャーされた総論のプロローグ – 種もみを撒くパレットへの土の調合とセッテング – から始まります。

高温障害によるお米のダメージは、慣行栽培の2葉の苗ではどうしても耐久性にかけて上手くゆかないため、網本さんの提唱する『ファーミングリテラシー協会 FL農法・農育研修会』の4.5葉の成苗にかけてみようと決意したのだ。

実は、吉村さんは以前にお米づくりもされていた経験もあり、無農薬の難しさは身に染みて理解されているのです。
過去体験した『しらた』というお米が、高温と害虫にやられたリベンジをはたすべく吉村さんの1年が始まりました。

(楯本雅巳)

 

横井啓行さま編

5月15日、三重県は晴れ。
豊かな農場の敷地内に建てられたビニールハウスの中に、まず、お邪魔することにしました。
『綺麗に苗たちが育っている!』

徹底された温度管理。
稲作りは育苗で8割が決まります。
まさしく、4.5葉は、稲の成人式。
子育てと同じです。
4.5葉までどんな育てられ方をしたかで、その稲の一生が決まるのです。

網本さんは、愛しむように成苗の頭を撫で…そして何かを感じた様です。
『葉の色は、もう少し薄くなるように…有機の量の調整が必要です。
背丈があまり伸びないように茎の太さに着目すること。茎の太さが、お米の粒数に比例しますから』
と専門家でないとわからないところを的確に指摘してゆきます。

そしてハウスの横に建てられた農作業用のプレハブはなんと、横井さんの手作りというから驚きです。

さらに、美味しいお米へのこだわりとして、堆肥の改良にも力を注ぎ、近くの納豆工場からでる有機成分を堆肥にと考えているそうです。
気になったので、さっそく一同納豆工場へ向かいました。
納豆のできた後の副産物が大きなパイプから落ちてくる仕組み。

大豆の中のサポニンという成分は、稲の天敵『コナギ』という植物の抑草に役立つかも…と網本さんも関心されていました。
新たなアイデア、実行するその姿から、横井さんのお米づくりにかける愛情を感じられる一日となりました。

(楯本雅巳)

 

辻川信介さま編

5月16日、晴れ。
長崎に到着。なんとその日は、佐賀県から北川さんも合流してくださいました。
向上心あふれた研修生の姿に網本さんとふたりで感動です。
九州エリアも熱く、充実した実地研修になる予感。
辻川さんの農場は、ハウステンボスから少し離れたところにあります。

あぜ道で話込む3人…。
あぜの高さが、少し低いところを網本さんが気にされていた。
どんな影響があるのか、他のみんなは分からない。網本さんだけが見えているもの。
『辻川さん。この田んぼは、抑草の対策に苦労するかも…』

一体、何故でしょうか?
『水面をいっぱいに上げて、ひえの頭が絶対に出ないようにすること。
水位が落ちないように水の管理を怠るとひえの支配下におかれる…。
水面から、ひえが出ないぎりぎりのところが、代掻きのタイミングです。』と
なるほど…一同納得です。
そして、関西のエリアでは見ることのなかった水中生物の発見。
『ジャンボタニシ(学名:スクミリンゴガイ)』。大きくなると握りこぶしの半分にはなるそうです。

※水田に水を引き入れ、土を砕き、ならして田植えの準備をすること。

ジャンボタニシの卵も発見!
ピンク色で親指の第一関節ほどの大きさがあります。
稲を食い荒らすギャングさながらの姿です。

ひえにジャンボタニシと、頭を抱え込みたくなる問題が続出。
解決方法はあるのでしょうか?
普通なら、農薬を巻いて退治するのが定番ですが、さて網本さんはどうするのでしょうか?
『大丈夫です。4.5葉の成苗なら』
網本さんから自信に満ちた解答が。
『むしろ、このジャンボタニシにひえの掃除をしてもいましょう』
大自然の摂理を最大限に活用する農法。
これが、まさにファーミングリテラシー協会が目指す農法です。
田植えの機械の調整の相談にも、的確に指導。網本さん自らが、回転スピードや、苗を掴む爪の微調整も行います。

そして、種もみから産声をあげたお米の赤ちゃんが顔をのぞかせています。
まもなく苗床デビューできそうです。

帰り際、自宅の前の田んぼも見せてもらいました。

なんと埼玉県では絶滅した、水中植物やゲンゴロウが自由に泳ぎ回っているのです。
「理想的な田んぼだ…」。
網本さんからの羨望のひと言は、辻川さんにとって、1年間の米づくりを支えるメッセージになりそうです!

(楯本雅巳)

 

北川信行さま編

5月16日、佐賀県晴れ。

山道を抜けるとそこは、雪国ではなく、見事な日本の原風景が私たちを迎えてくれました。
北川さんの農場は、山と山に囲まれた絶景の場所にあります。

静寂。
谷間から、うぐいすの谷渡りのパフォーマンス。
緑色の楽園に初夏の風が吹き渡ります。
早速、苗床へ…。

山からひかれた水が、ダイヤモンドのように煌めいています。

苗床も、網本さんの提唱する専用ポットを使用。
その準備は、完璧に整えられていました。

田植えの圃場は、整備されたゴルフ場のように綺麗です。
非の打ちどころのない完璧な圃場にも、唯一の弱点がありました。
あぜ道の雑草の量もさることながら、
山の傾斜によるあぜ道の角度は70度もあり、さらにその高さは1メートルは優に超えているのです。

網本さんの『ひとりでできる作業ではありませんね!』の一言に北川さんも思わず苦笑。
普通の機械では、その傾斜ではまったく役に立たず、別の機材が、必要になるということです。
思わぬ盲点に、大自然の脅威を感じます。
しかし、そんな問題点が気にならなくなるほど、北川さんにはひとつの大きな楽しみがありました。
それは、北川さんがこだわり続け、ようやく見つけた究極の種も…コシヒカリの中のコシヒカリ、 伊勢神宮のご神田で台風にも倒れなかった伝説の種『イセヒカリ』の存在です。

これが伝説の種もみ『イセヒカリ』の赤ちゃん!
この種もみの成長を、北川さんは待ち望んでいるのです。

大自然でのお米づくり。
1年後が楽しみです。

(楯本雅巳)

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